法事とは?
法事は、親族や故人にゆかりのある人たちが集まって、僧侶と一緒に故人の冥福を祈る上手だと認識している人が多いです。しかし、厳密に言うと、法事は数多くの仏教行事の一つになっています。
お盆や彼岸供養といった行事も法事の一つです。
法事は仏教行事全般を指します。
そのため、亡くなった人の魂を供養する行事だけが法事というわけではありません。
ですので、故人の命日以外に行われている仏教行事も「法事」というわけです。
故人の命日に魂を供養する行事は「法要」と言います。
もちろん法要は法事に含まれているため、間違いではありません。
法事・法要の花
葬儀や枕花では花色への配慮が必要ですが、法要ですと故人が好きだった色や明るく華やかなものなど、お花の種類や色合いは選択の幅が広くなります。
一般的には、亡くなってから一年未満の場合には色のあるお花を入れないで白基調で仕上げる「白上がり」が無難です。年数が経つにつれ徐々に淡いピンクやブルー、紫、 黄色などが入ります。
家族・親族ですと10,000円~20,000円が相場になることが多いようです。
知人や友人ですと5,000円~が相場です。
法事・法要は自宅だけではなく、お寺やホテル、会館で行われることもあります。
そのため、地域の生花店やオンラインショップを利用してお届けしてもらうと便利です。
法事を行うタイミングやスケジュール
さまざまな仏教行事が含まれる法事には、いくつかの種類があります。
何回目の命日を迎えるかによって、法要の呼び方が変わってきます。
法事を行うタイミングやスケジュールを知っておくことで、計画的に故人の冥福を祈れるようになり、ご先祖様を長く大切に想うことができるようになるのです。
仏教では、人が亡くなってからの49日間を「中陰(ちゅういん)」、49日目を「満中陰(まんちゅういん)」と呼びます。
中陰の間は、死者の魂が成仏せずにさまよっていると考えられており、故人のために追善供養を行います。 忌日法要は、故人の命日から7日ごとに行われる法要で、以下の8つがあります。
初七日(7日目)
二七日(14日目)
三七日(21日目)
四七日(28日目)
五七日(35日目)
六七日(42日目)
七七日(49日目)・満中陰
百カ日(100日目)・卒哭忌
初七日(しょなのか・しょなぬか)
初七日は、故人の命日から7日目に行われる法要です。
この日は故人が三途の川に到着する時期だとされており、穏やかな流れになっている川を渡れるように、僧侶や親族、故人にゆかりのある人たちで祈ります。
初七日法要では、故人の写真や位牌を見ながら、僧侶の読経のもとでお焼香をしていきます。
開催場所は自宅である場合もあれば、お寺に故人の遺骨などを持ち込むことで供養してもらう場合もあり、親族で相談して決めるようになります。
最近では、繰り上げ法要や繰り込み法要と言い、葬儀の日に初七日法要も執り行う人も増えています。
親族の負担も考慮しながら、初七日法要のスケジュールを組むようにしましょう。
二七日(ふたなのか)
ニ七日は、故人の命日から14日目に行われる法要です。
ニ七日では、故人が生前に行った盗みの罪について審判されると言われています。
ニ七日法要で少しでも故人の罪を軽減できるように祈ることで、現世から故人へ善を送ることができるとされています。
それによって、今後故人の魂がより良い世界へ旅立てるようになることが期待できるのです。
ニ七日法要で故人にお供え物をする場合、食料品や消耗品といった、形に残らないものを備えるのが良いとされています。 これは、不祝儀が長く残らないようにという気持ちを現わすことになり、線香やろうそく、果物やお菓子がよく選ばれます。
三七日(みなのか)
三七日は、故人の命日から21日目に行われる法要です。
これまでの法要では、僧侶や親族以外に、故人にゆかりのある人も自宅に招いて執り行うケースが多くなっています。 しかし、三七日法要は、基本的には僧侶と親族のみで執り行うことが多くなり、法要の規模はかなり小さくなります。
また、家庭によっては、三七日法要を執り行わないという方針のところもあり、必ずしも執り行わなければならない法要ではなくなってきています。 親族で相談しながら、法要のスケジュールについて決めていくことが大切です。
四七日(よなぬか・ししちにち)
四七日は、故人の命日から28日目に行われる法要です。
この法要も三七日法要と同様に、親族だけで執り行われることがほとんどで、家庭によっては四七日法要は省略するところもあります。
四七日は、冥界の4番目の王である普賢菩薩によって、言葉による罪について裁きを受けるとされています。
遺族は、故人に喜んでもらうために、どのような行動をすれば良いかを考えながら、故人の冥福を祈るようになります。
五七日(いつなのか)
五七日は、故人の命日から35日目に行われる法要です。
近親者と僧侶のみで読経を行い故人の冥福を祈るのは、これまでの法要と同様です。
しかし、地域によっては五七日法要を忌明け日として、忌明け法要を執り行うところもあります。
五七日では5番目の王である地蔵菩薩から審判を受ける際に、生前に犯した罪の全てが映し出されるとされており、故人にとっては辛い場面になります。
しかし、それと同時に現世の人たちが供養してくれている姿も映し出されるため、それを見た故人は嬉しい気持ちで成仏することができると言われています。
六七日(むなのか・むなぬか)
六七日は、故人の命日から42日目に行われる法要です。
これまでの裁きと同様に、六七日では6番目の王である弥勒菩薩(みろくぼさつ)から過去の罪に関して裁きを受けるとされています。
裁きを受けながらも、弥勒菩薩様が、生まれ変わった世界で正しく修行を積むように伝えてくれると言われています。
四十九日(しじゅうくにち)・七七日(しちしちにち・なななぬか)
七七日は、故人の命日から49日目に行われる法要です。
四十九日とも呼ばれており、法要の中では最も知られている行事になっています。
四十九日では、これまで受けた裁きの結果をもとに、来世でどのような世界に行くかが決まる、重要な日になります。 ここでは、僧侶や親族だけでなく、故人と生前関わりがあった人たちも集まって、一緒に冥福を祈ります。
また、これまで使用されていた白木位牌は、菩提寺に納められ、新たに本位牌が仏壇に置かれるようになり、それと同時にお墓に納骨も済ませます。
四十九日をもって忌明けとするところがほとんどで、参加者たちで食事会を開催して、これまで喪に服していた生活から元通りの生活へと、気持ちを切り替えるタイミングになるのです。
百カ日(ひゃっかにち)
百カ日は、故人の命日から100日目に行われる法要です。
四十九日で忌明けとする家庭がほとんどであるため、百カ日法要についてよく知らないという人は多いです。
この法要は別名「卒哭忌(そっこくき)」とも呼ばれており、遺族が故人を亡くした悲しみから解放される日だとされています。
四十九日法要のように、多くの参列者を集めて読経してもらうわけではなく、親族と僧侶のみで執り行うのが一般的です。
年忌法要
年忌法要とは、定められた年の命日に行う追善供養のことです。
亡くなって1年目を「一周忌」、2年目を「三回忌」、その後、七回忌(6年目)、十三回忌(12年目)、十七回忌(16年目)と、3と7の年度に行います。三十三回忌を「年忌明け」といって弔い上げになるのが一般的です。
年忌法要には、以下の13種類があります。
一周忌
三回忌
七回忌
十三回忌
十七回忌
二十三回忌
二十七回忌
三十三回忌
三十七回忌
四十三回忌
四十七回忌
五十回忌
百回忌
一周忌
一周忌は、故人が亡くなってから1年が経った日に行われる法要です。
年忌法要にはたくさんの種類がありますが、その中でも一周忌は最も大切な法要とされています。
一周忌法要では、僧侶や親族、生前に故人と縁のあった人が参加します。
僧侶の読経をしてもらった後にお焼香を行い、食事会を開催するというのが一般的な流れになっています。
一周忌では、スムーズに一周忌法要を執り行うためには、事前に参加者やお寺に連絡を取ったり、食事や引出物、会場の手配やお布施の準備をしたりしなければなりません。
1人で準備をするのは大変なので、家族で役割分担をしながら準備を進めていくのが理想的です。
三回忌
三回忌は、故人を亡くしてから2年後の命日に行う法要です。
この法要は、たくさんの種類がある法要の中でも、節目となる重要な意味を持っていると言われています。
それは、三回忌を節目として、以降の法要は執り行わないという方針の家庭が多いことが、大きな理由となっているのです。
一周忌と同様に、多くの参加者を集めて故人の冥福を祈ることが多いですが、最近では三回忌を執り行わない家庭も増えています。
また、三回忌を執り行ったとしても、近親者のみで小さく済ませるというところもあり、親族の考え方によって三回忌の開催方法が変化してきています。
七回忌
七回忌は、故人を亡くしてから、6年が経過した日に行われる法要になります。
一周忌や三回忌よりも規模が小さい法要になるケースが多く、基本的には僧侶と親族のみで執り行うようになっています。
七回忌の7という数字は、仏教では大切な数字であるとされており、人間の迷いの姿である「六道」の世界を超えたことや、お釈迦様が誕生した直後に7歩歩いたといったことも由来の1つとなっています。
十三回忌
十三回忌は、故人を亡くしてから、12年が経過した日に行われる法要になります。
七回忌と同様に、僧侶と親族のみが集まって故人を供養するケースがほとんどで、小さな規模で冥福を祈るという流れが多いです。
読経が終わったら、親族内で故人との思い出話をしながら会食をするところもあり、親族の方針によってスケジュールが変わってきます。
十七回忌
十七回忌は、故人を亡くしてから、16年が経過した日に行われる法要になります。
十七回忌にもなると、ほとんどの家庭が家族だけで法要を執り行っています。
しかし、中には故人と縁があった人たちを招いて法要を執り行うところもあり、法要の規模感はさまざまです。
二十三回忌
二十三回忌は、故人を亡くしてから、22年が経過した日に行われる法要になります。
故人が亡くなって22年も経過しているため、そもそも二十三回忌を開催しないという方針の家庭もあります。
また、二十三回忌を取り行ったとしても、身内だけで静かに開催し、読経の後に故人との思い出話をするといったケースが多いです。
二十七回忌
二十七回忌は、故人を亡くしてから、26年が経過した日に行われる法要になります。
亡くなってから26年も経過すると、二十七回忌を執り行わない家庭も多いです。
場合によっては併修と言って、命日の近い他のご先祖様とまとめて法要を執り行うケースもあります。
また、他の法要でも同じことが言えますが、命日に参加者が集まれないという場合は、命日の直前の土日などの休日に法要を計画します。
三十三回忌
三十三回忌は、故人を亡くしてから、32年が経過した日に行われる法要になります。
地域の慣例やお寺の宗派によって違いがありますが、一般的には三十三回忌では弔い上げをするようになっています。
三十三回忌にもなってくると、故人のことを知っている親族も少なくなってきます。
そのため、区切りとなる三十三回忌をもって弔い上げとし、以後の年忌供養は執り行わないようになるのです。
三十七回忌 三十七回忌は、故人を亡くしてから、36年が経過した日に行われる法要になります。
この法要も、他の年忌法要と同様に、自宅に親族や僧侶を招いて、読経しながら故人の冥福を祈ります。
お焼香やお墓参りは済んだら、会食を行い、故人についての思い出話などを楽しみます。
とはいえ、規模はそこまで大きいものではなく、三十七回忌自体執り行わないという方針の家庭も多いです。
四十三回忌
四十三回忌は、故人を亡くしてから、42年が経過した日に行われる法要になります。
故人の命日から42年も経過すると、故人について知っている人はほとんどいなくなり、四十三回忌法要を執り行わない家庭も多いです。
場合によっては、他のご先祖様とまとめて法要を行うことで冥福を祈ったりするところもあり、地域や家庭の慣例によって更新が大きく変わってきます。
四十七回忌
四十七回忌は、故人を亡くしてから、46年が経過した日に行われる法要になります。
四十七回忌も、これまでの法要と同様に、故人の命日からかなりの年月が経過しているため、執り行ったとしても、かなり規模が小さくなっていることが多いです。
法要のスケジュールとしても、他の法要と大きな変わりはなく、四十七回忌だからといって特別な準備をする必要はありません。
五十回忌
五十回忌は、故人を亡くしてから、49年が経過した日に行われる法要になります。
この法要は、他の年忌法要の中でも節目になるもので、三十三回忌弔い上げをしていない場合は、五十回忌で弔い上げが行われます。
正式には五十回忌をもって弔い上げとされるため、故人は生前にどのような罪を犯していたとしても、それらが許されて極楽浄土へ旅立つことができると言われています。
百回忌
百回忌は、故人を亡くしてから、99年が経過した日に行われる法要になります。 亡くなってから99年経過しているため、先祖代々語り継がれている家庭でない限り、故人について認識している人は少ないでしょう。
多くの宗派では三十三回忌や五十回忌をもって弔い上げとされているため、百回忌を執り行わないところもあります。
これは、家庭や宗派の考え方によっても変わってくるため、親族が法要についてどのような考え方を持っているのかを、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。
【神式の場合】
葬儀の翌日に翌日祭、亡くなられた日から十日ごとに十日祭、二十日祭、三十日祭、四十日祭、五十日祭、合祀祭、百日祭と続きます。以後は年ごとに1年、3年、5年、10年とお花をお供えし供養します。
【キリスト式の場合】
初七日、四十九日、年忌法要といった仏式の慣わしに合わせて追悼ミサをささげることもあります。白いユリやカーネーション、バラなど洋花でのアレンジメントで故人の自宅へ贈るのがよいでしょう。
まとめ
月日が経っても、亡くなった方の思い出話ができたら素敵ですね。 法事・法要を通して、家族の絆を感じる機会になるのではないでしょうか。 亡くなった方やご先祖様を大切にするという、日本の文化をこれからも守っていきたいですね。