お彼岸を迎えると、家族そろってお墓参りをするという人も多いのではないでしょうか。
お彼岸の期間は、3月の「春分の日」と9月の「秋分の日」をはさむ前後3日を合わせたそれぞれ7日間です。それぞれの初日を「彼岸入り」、終日を「彼岸明け」、春分の日・秋分の日を「中日(ちゅうにち・なかび)」といいます。
先祖供養のためにお墓参りをすることが一般的となっています。
お彼岸の迎え方・準備
お彼岸の期間、いつお墓参りに行くべきか日程が決まっているわけではありません。
ただ最近では、霊園や納骨堂によってはお彼岸の中日には混雑する可能性がありますので、彼岸入りの早いタイミングでお墓参りを済ませるという方も多くいらっしゃいます。
お彼岸だからといってお墓参りで特別なことをする必要はありませんが、いつもより手厚く供養できると良いですね。墓石に水洗いして、花を供えて、故人や先祖を改めて感じられる時間を大切にしましょう。
1.お仏壇や仏具の掃除、お供え物
日ごろのお掃除より丁寧に掃除をしましょう。
彼岸にお供えする花や食べ物も用意しましょう。
・お供え用の花
お彼岸前から準備する場合は、咲ききっていないものをおすすめです。
花はなるべく直射日光・エアコンの風に当たらないようにしましょう。
・お供え物
果物や菓子、故人の好きだったものをお供えします。
「おはぎ」「ぼたもち」を作ってお供えされることも多いです。
ちなみに春に供えるものを「ぼたもち」、秋に供えるものを「おはぎ」と言います。
両者はもち米と餡子を使ったまったく同じお菓子です。
季節によって呼び名が変わるのは、ぼたもちは春に咲く牡丹の花、おはぎは秋に咲く萩の花にちなみ、 名づけられたことから、このように呼ぶようになったそうです。
・線香やロウソク
最近では、香りのついたものや煙の少ない線香などもありますので、個人の好きだった香りを 選んでみるのも良いかもしれません。
2.お墓参りの準備
・お供え用の花
お墓の花立てはあまり深さがありませんので、茎を少し短くして行く事をおすすめします。
・お供え物
果物や菓子、故人の好きだったものなどをお供えします。
食べ物をそのままにしておくと、墓石が汚れたり、カラスが散らかしたりすることがあります。
お墓参りが終わったら持ち帰ることをおすすめします。
・掃除用具
お墓によっては掃除用具が備えられているところもあります。
草むしりのための軍手や草けずりがあると便利です。
ゴミ袋やぞうきん、タワシ等用意していくものを事前に確認しましょう。
・お線香、火をつける物
マッチやライター、新聞紙などを用意しましょう。
お彼岸について
仏教では、先祖のいる世界(極楽)を「彼岸(ひがん)」と言い、いま私たちが生きているこの世界を「此岸(しがん)」といいます。
「彼岸」は、西に位置し、「此岸」は、東に位置するとされています。
3月の春分の日と9月の秋分の日は、太陽が真東から昇り、真西に沈むので彼岸と此岸がもっとも通じやすい日になると考えられ、この時期に先祖供養をするようになりました。
お彼岸の期間の7日間は、中日(春分の日・秋分の日)がご先祖さまに感謝する日です。
その他6日間は、人が生きていく上で良いことと悪いことをきちんと判断し、正しい行いができるようになるための6つの行い(波羅蜜)を1日に1つずつ行う大切な期間です。
①分け与える
②規律を守る
③怒りをすてる
④努力する
⑤心を安定させる
⑥智慧(ちえをあらわす)
先祖への感謝の気持ちをもって、普段の生活の中では、正しい行いをするように心がけてみましょう。
お彼岸にお供えする花について
一般的に、菊を主とした花束が人気です。 若い方には、白や淡い色の花が喜ばれることが多いですので、菊にこだわる必要はありません。
ユリやトルコキキョウなど清楚な花がお供えの花として適します。
故人が生前好きだった花があるなら、それをお供えするのもおすすめです。
ただし、「トゲがある」「臭いがきつい」「毒を持っている」花はお供えには適しませんので、避けるのが無難です。
お彼岸には、親戚やお世話になった方のお宅へ花を持って訪問する方が多くいらっしゃいます。
最近は、花瓶が不要でお供えしやすいアレンジメントが人気です。
ただし、中にはお墓にお供えしたいという方もいらっしゃいますので、不安な方は予め贈る方に希望を確認すると安心です。
ご予算としては、三千円から五千円のものを贈る方が多いです。
持参すると心が伝わりベストですが、どうしても訪問出来ない場合は配達を利用しましょう。
また、お仕事で実家に帰省できない場合などもお仏壇用の花を手配すると良いでしょう。
手配する際は、お彼岸の間お供えできるように彼岸入りの日またはその前日までに届くよう手配するのがおすすめです。
繁忙期で時間指定での配達ができない花屋さんが多いと思いますので、前日お届けが安心ですね。
特に、初めてのお彼岸であれば、極力前日には届くように手配しましょう。